便利という二文字は元来、私達の日常に於いて、時に抜きん出たメリットを実感させてくれる大変魅力的な響きを放っていました。しかしながら、私達大衆が空想の世界で想い描く便利は、時に小説や漫画の中にのみ描かれる、いわゆる絵空事的な希望であるケースも多々見られたのも事実でした。
結果私達各々は常に「創意工夫」を自ら重ね、少しでも自身が求める理想に近い環境の構築を、半ば無意識の中で実践し続けていました。たとえば、一般の平凡な主婦の何気ないアイデアが特許申請されアナログ商品として脚光を浴び、考案者に大きな富を届けた事例などはその典型例でしょう。とりわけ自身を含む家族全員にとって、どこよりも１番心身リラックス出来る空間である家庭を守る主婦だからこそ、何も無い状況からの創意工夫を通じ、簡単だけど大きな効果が得られるノウハウを編み出す術に長けているのでしょう。
そんな新たなアイデアの中でも、主婦に限らず私達全員にとって見過ごせぬノウハウが、いわゆる収納術と表現される「片付けのノウハウ」に他なりません。冒頭で述べた便利を叶える目的で市場に供給された無数のアイテムや、以前は関連書籍などを閲覧したり、第三者に相談するなどのアクションが求められた収納術に関する情報収集作業も、インターネットが普及したおかげで、手元のパソコンやスマホで導き出せる環境が整い、同時に私達の中に「ネットで目にした全ての情報は無条件で有益」なる感覚をもたらしています。ですが、「必要な物を適正に収納する」作業に関し、果たして万人が実践を通じ、100％全員が確実な効果を実感出来る収納術のノウハウが存在しているとは言えません。
何より私達が整理整頓を必要とする環境は各々全てが異なり、収納すべきアイテムの種類も数量も違います。そのため、ネット上で紹介されている収納術の手順が物理的に踏めないこともあります。その通りに実践できたとしても、経験談が語るような効果が実感出来ない場合は少なくありません。これも冒頭で述べた通り、私達の中で捉える「便利」が変化した結果、以前であれば僅かな工夫でクリア出来たテーマすら、お手本が見当たらないという理由だけで頓挫してしまう傾向に拍車が掛かっている証拠です。ここでは、部屋や職場環境の乱雑な状態が改善出来ずにお困りの方々に向け、ご自身なりの収納術を考案して実践するメリットと、それに際してのアドバイスを紹介します。
